私が宅建士試験に合格したのは平成29(2017)年度試験。54歳の時です。
初めての国家試験受験で、合格を確認したときは非常に嬉しかったです。科目としては権利関係、民法部分が難しかったです。宅建業法や建設業法は、当時建設会社の営業職をしていたため、実務で多少は心得がありました。しかし、民法は、相続法のあたりは実務で知識が多少必要でしたが、何せ千条文以上ある法律なのでほとんど知りませんでした。
私は学生時代から、資格試験の受験を考えたことが全くありませんでした。
宅建士資格も仕事上取得しなければならないというわけではありませんでしたが、不動産業への転進を考えていたため宅建士資格は必須と自分で決めました。不動産の営業も、宅建士資格が必須ではありませんが・・・。とにかく50歳を超えての初めての資格試験挑戦であったわけです。
初めて、権利関係(民法)の試験問題に取り掛かったときは面食らいました。書いてある言葉の意味が全くわからない。「意思能力」やら「保佐人」やら「代理」やら。問題を読んで、何を問われているかすら分からなかった程です。全くもって法律の素養が無かったというわけです。
宅建士の受験勉強では試験2ヶ月前あたりからはよく勉強をしました。過去問の繰り返しです。50歳を超えて初めて生活の中に勉強する習慣みたいなものが身に付いたと思います。そしてこの身についた「勉強する習慣」を大切にしようとの思いが、行政書士試験勉強を始めるきっかけとなりました。当時行政書士がなんたるかも知りませんでした。
子供の頃から勉強(座学)=苦痛、という方程式が体に染み付いていたため、社会に出てからの実務のための勉強は別として、試験のための勉強からははなから逃げ通しでした。
しかし「小さな成功体験」って大事ですね。
宅建士試験に合格できたため、それが良いきっかけとなり、モチベーションがアップし、「次行ってみよう!!」となるわけです。
次のターゲットとして定めたのが行政書士試験。宅建試験よりは重めなものにしようとの考えです。中小企業診断士試験と迷ったのですが、行政書士に決めました。行政書士は3回目の受験で合格しましたが、2回目受験の時は中小企業診断士試験勉強と半年間ほど同時進行させました。
行政書士試験に臨むにあたっては、なんと生まれて初めて学習計画というものを立てました。そしてその計画を逐一確認しながら進めることができてしまったわけです。50歳過ぎて初めての経験です。
目標を決めてそれに向けて、するべき準備をする。
どの時点までにどの程度の力をつけておくべきかを算段し、着実に実行する。
私がかつて実行したことのない振る舞いです。
試験のための勉強は、試験合格のための「準備」と言えると思います。
資格試験「合格」と、仕事において「プレゼンに勝つ」は実によく似ています。
相手を知り、ライバルを知り、傾向を知り、対策を立てる。攻略の計画を立てる。
対策通り、計画通りに実行する。
それができれば「プレゼンに勝てる」、「試験に合格できる」。